【話題】 「Visit Japan Campaign」 東京プライドパレードの承認を決定

「外国人旅行者訪日促進戦略」の一環として、国土交通省などの関係省庁や自治体、観光関連の民間企業らが官民一体となって実施されている「ビジット・ジャパン・キャンペーン」。このロゴを、第6回東京プライドパレード(TPP6th)として使用することを承認されたことが、今月20日までにわかった。これによって、日本へ訪れる外国人旅行者に対して、パレード公式ホームページや配布・掲示物などに「YOKOSO! JAPAN」のロゴを自由に使用して、パレードを海外へアピールできるようになった。

「ビジット・ジャパン・キャンペーン」とは、日本人の海外旅行者が年間約1600万人であるのに対して、我が国ニッポンを訪れる外国人旅行者が、その3分の1以下の約500万人に過ぎないことから、その格差を是正する目的で、国土交通省が関係府省と協力しスタートさせたグローバル観光戦略。訪日促進ビデオには安部首相が出演し、観光広報大使には女優の木村佳乃、米国親善大使には歌手のPUFFYらを起用するなど、かなり力を入れている国家プロジェクトなのだ。

このロゴが使用できるということは、いわば東京のゲイパレードに対して、政府が「お墨付き」を与えたことを意味している。 「このロゴをうまく活用して、外国人観光客をたくさん日本へ呼んでくださいね」と政府が期待してくれているわけで、ゲイパレードと聞いて眉をひそめたり、嫌がらせまがいのことをしていた頃のお役人さんたちとは全然違う扱いになったとも言える。

「東京の町は息苦しく、京都のお寺はどれも陰気」に見えるニコラ・サルコジ仏大統領のような外国人を日本へ招き入れるためには、これまで蔑ろにしてきたゲイパレードのような文化も、大切に育てていかなければならないことに、ようやく気がついたということ?

また、海外における知名度の低さが長年の課題だったパレード運営側にとっても、このニュースはかなりの朗報となったはず。東京のパレードで見かける外国人の数は、特段多いとは言えず、年々増えていく様子も見られない。一方、国内の参加者数も頭打ち状態で、これから急激に増えていくことも考えづらく、今よりもさらに参加者数を増やして、東京のゲイパレードを「一大観光イベント」にしたいパレードの関係者から見たら、どうしても外国人観光客を増やしたい思惑があるからだ。

いずれにしろ、一参加者の立場として考えたら、東京にいながらにして、外国人の人たちと一緒にパレードに参加できるなんて、こんな素晴らしいことはない。でも、欧米のゲイパレードでは味わえない「東京独自のゲイパレード」のカラーをそろそろ確立させてもらわないと、継続的に参加者を増やしていくことは難しいかもしれない。そのためには、行政やパレード運営側の努力はもちろん、一般市民である参加者一人一人の協力や思いやり、アイデアといったものが、東京のゲイパレードをさらに刺激的なものへ変えていける、一番の原動力になるのでは?

□OFFICIAL SITE
https://www.visitjapan.jp/
https://parade.tokyo-pride.org/6th/


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