異性と不貞の関係を結んだり、見合い結婚を断ったり、離婚を申し立てた女性を、
「家名を傷付けた」という理由から、身内が妻や娘を殺しても、処罰されないという
風習が根強く残っているパキスタンで、いわゆる「名誉殺人」と呼ばれる
この種の殺人に対して、最高で死刑を導入する新しい法案が先月26日に可決させた。
上院の承認を経て、正式に施行される。
同国では、ジャマリ首相の辞任を受けて今年6月から、
チョードリー・シュジャート・フセイン与党ムスリム連盟(PML)党首が首班となり、
人権保護の強化と国家の近代化を推し進めているが、今回の法案は、
その一環として下院に提出されていたもの。殺人以外にも、例えば、女性本人の
同意なしに、結婚を強要するような行為も、最高で10年の懲役刑に科せられるようになる。
名誉殺人という風習は、同国の他にも、イスラエルやパレスチナ、レバノン、
エジプト、ウガンダなどの国々において現在もなお、残されている。その犠牲者は強姦された女性など、
本人には全く責任のない場合も、名誉殺人の犠牲になるケースもあり、
国連やアムネスティー・インターナショナルなどの多くの人権組織が警告を促していた。
|milk vol.-- 2004/11/22 |home|2004 |