(毎月22日配信・無料) 【投稿】 同性愛の子どもたちを窮地に追い込む“産経新聞の壁”

8月18日(月)の産経新聞の朝刊の産経抄というコーナーに、以下のような記事がありました。 同性愛を男女間の性愛と同列に扱うことの何がいけないのか。 また、同性愛は正常ではなく異常として読者にとらえられかねません。 各国では、同性愛に対する差別反対運動が進み、結婚やDP法(同性カップルの法的な一定の権利を認める法律)が認められるようになってきています。 新聞という多くの人の目にふれるメディアで、日本でも懸命に行われている差別反対運動をふいにするような このような記事がいとも簡単に掲載されたことに強い怒りを感じます。

 ジェンダーフリー(性差解消)という名のばかげた風潮は、とどまるところを知らない。東京の港区が男女共同参画政策の一つとして区の刊行物八千部を全職員に配った。その刊行物で「ちょっと待った! そのイラスト」と、いろいろ注文をつけていたという。
 たとえば保育園の送り迎えの風景で、女性だけが描かれているイラストは「固定観念にとらわれている」からダメ。父親もカバンを持って登園する絵にされた。また女性の晴れ着だけの成人式風景は男性を加えたものに改められた。
 先日、同じ東京の大田区で「変わりゆく社会と女男」「女男が自分らしく働く環境」などと表記した運動のことを書いた。日教組が「男女混合名簿」という名称を「女男混合名簿」と変えよと提唱したこともある。男女はいけない、女男ならよろしい…と。
 そういう人たちは両性具有とか同性愛を過剰に強調し、男女間の性愛と同列に扱う。男女間の性愛をことさらに「異性間情愛」と呼んだりしている。こうなるとなにが正常なのか、判断する常識を人びとから、とくに子供から奪っていくことになる。
 先に“ばかげた風潮”と書いたが、決して軽視することはできない。男らしさ・女らしさを否定するジェンダーフリー教育の弊害は、国を危うくすることになりかねないからだ。日本の伝統や文化も無視されていくことになる。そのうち“夏らしさ”といった季節感も否定されてしまうだろう。
 日曜の楽しみの一つは産経俳・歌壇に目を通すことだが、きのうの俳句に「ピアスして少年無口青嵐」、短歌に「日に焼けて人力車曳く女子(をみなご)の胸当て黒き鎌倉の谷戸」というのがあった。これは前記のイデオロギーとは無縁の時代風景らしい。

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