【米】 カリフォルニア大学・性的指向は胎児の段階で決まる?

人間が同性愛、あるいは、異性愛、両性愛になるのは、セクシュアルマイノリティ当事者らが主張するように生まれつきなものなのか、それとも、同性愛者が嫌いな人々が訴えかけているように、後天的な要因なのか。この古来からの謎を解くひとつの鍵が、カリフォルニア大学の研究者によって明らかにされた。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校で遺伝学を研究するエリック・ビレイン教授らのグループは10月20日、マウスを使った実験で、雄雌間で異なる性行動が引き起こされるしくみを解明するかもしれない54の遺伝子を識別したことを明らかにした。実験では、生殖器が発達するずっと以前の胎児の段階で、雄と雌の脳で作られる遺伝子を比較。その結果、雄の脳には18の遺伝子、雌の脳には36の遺伝子が作り出されたという。ビレイン教授は、性の自己認識が出生前にほぼ決定されることを証明するものだとしている。

人権保護団体「HRC」(The Human Rights Campaign)は、セクシュアル・オリエンテーション(性的指向)とジェンダー・アイデンティティー(性自認)が、胎児の段階で基礎がつくられることを証明するひとつの結果を得たとして概ね評価している。HRCのエリザベス・バーチ氏は、「彼のチームは今後、さらに大きな研究成果をあげることになるだろう。そして、性的指向の違いが先天的な要因にあるということを、いつの日か導き出してくれるだろう。しかしながら、性的指向や性自認の違いを引き起こす原因がたとえ何であったとしても、法律はすべての国民を平等に守らなければならないのです。」と語っている。

□【米】 農務省ら・同性愛と異性愛の羊の脳に差異
https://www.milkjapan.com/2002an01.html


|milk vol.76 2003/10/22 |home2003 |