米メリーランド州ボルティモアの警察当局は今月14日、カトリック教会の神父を銃撃、
重傷を負わせたとして、殺人未遂の疑いなどでドンテ・ストークス容疑者(26)を逮捕した。
犯行の動機についてストークス容疑者は、この神父から9年前に性的虐待を受けていたためと供述している。
銃撃されたモーリス・ブッラクウェル神父はかつて、ストークス容疑者への虐待について
警察から取り調べを受けていたが、その際は立件されなかった。しかし1998年に、
別の未成年者との不適切な関係が教会の内部調査で明らかになり、
ボルティモア大司教区における教会責任者の任を解かれていた。
米国では、今年2月に東部ボストン大司教区で元神父による少年への性的虐待事件が明るみに出たことをきっかけに、
フロリダ州パームビーチの63歳司教による20年以上前の性的虐待行為が発覚するなど、
教会の信頼を失墜させる事実が次々と暴露されている。同様の虐待を受けていたとして、
大量の被害者たちが教会らを相手取って損害賠償を求めるケースも相次いでおり、
教会側は、性的虐待の疑惑のある神父らの氏名を公表したり、大規模な配置換えを行うなどの是正措置を求められた。
先月には、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が米カトリック教会の指導者らを召喚する事態にまで発展している。
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