衛生省疾病抑制局の斉小秋局長は9月6日、中国国内の
今年上半期のエイズウイルス(HIV)感染者・エイズ患者数は、
公式報告の30倍以上に当たる100万人近くに達する見込みであることを明らかにした。
斉局長は記者会見で、「このまま不十分な対策だと、
2010年には感染者が1,000万人に達する」と警告している。
中国のHIV感染者・患者数は、年間30%増という高い割合で増え続けており、
昨年は前年比58%増と急激に増加、事態はかなり深刻化している。
斉局長によると、昨年末時点の感染者と患者を合わせた数は85万人で、
患者数は20万人、10〜12万人がすでに死亡しているという。
感染原因は、上海市、広東省など都市部では性交渉が多いが、
そのほかの地域では売血や麻薬吸引によるものが目立つ。
今回報告された感染者数の71.2%は、
採血や輸血、薬物中毒者の注射針からの血液感染とされている。
政府は1998年から、「HIV感染への予防と抑制長期計画」を実施し、2010年までに
HIV感染者数を150万人以内までに抑制するとしていたが、
今回の報告により、長期計画の成果がほとんど見られていないことが浮き彫りとなった。
|milk vol.65 2002/09/22 |home|2002 |