同性愛と異性愛の羊との間に、人間と同様の脳組織の差異が
あることを米農務省の共同研究グループとオレゴン健康&科学大のグループが発見し、
先月4日の米神経科学会で発表した。
それによると、同性愛の雄羊9匹、異性愛の雄羊8匹、
異性愛の雌羊10匹、合計27匹の羊の視床下部の体積を調査した結果、
同性愛の雄羊の体積は、異性愛の雄羊の2倍で、雌羊の体積とほぼ同じだったという。
これは、1991年にサイモン・ルベイ氏が、同性愛男性、異性愛男性、異性愛女性の
3つのグループに分けて視床下部を調査した、人間のケースとほぼ同じ結果が得られたことになる。
ルベイ氏が調査結果を発表した際は、エイズで死亡した同性愛男性の脳であったことから、
治療薬などの作用で視床下部に変化が生じた可能性があると指摘されたが、
今回の調査結果により、その指摘は否定されたことになる。
研究者のチャールズ・ローズリー氏は、「性的指向の相違は、
子供がまだ母親の子宮にいるときにさらされるホルモンの影響であろう。
人間の性差を説明するには、今回の調査結果だけでは不十分。
さらなる実験を蓄積していくことで、それは明確になっていくだろう。」と話している。
オレゴン健康&科学大のサイトには、チャールズ氏の
プロフィールや連絡先(rosellic@ohsu.edu)が紹介されている。
□OFFICIAL SITE
https://www.ohsu.edu/index.shtml (オレゴン健康&科学大)
|milk vol.68 2002/12/22 |home|2002 |