雇用や住居、公共の場などでのゲイ差別をなくす法案がこのたび、ニューヨーク州議会の下院を113対33の大差で通過した。法案は上院での審議を経て、早ければ今年中にも成立する見通し。同州には同性愛者の人権を守るための法律がこれまでなかったため、同性愛者や人権団体らは法案の通過をおおむね歓迎している。しかし、エンパイア・ステイト・プライド・アジェンダのリポートなどでは、 SONDA(行動計画)が掲げている目標にはまだ達していない内容であるという指摘もある。
今回通過した法案は1971年にはじめて議会に提出されたもので、法案の通過に関してプライド・アジェンダのジョセフ・グラバーズ氏は「州の人権法案に“セクシャル・オリエンテーション(性的指向)” という一語を入れるのに、30年もかかってしまった」と語っている。
ジュリアーニ市長がゲイパレードに参加するなど、ゲイに寛容な都市というイメージのあるニューヨークだが、州レベルになると話はずいぶん変わってくる。昨年、ヘイトクライムに関する法案の改正が、共和党の反対から遅れたが、これもセクシャル・オリエンテーションという言葉が法案の中にあったことが最大の原因であった。このときの法案改正には10年がかかっている。
|milk vol.40 2001/02/22 |home|2001 |