フランスの統一選挙は3月18日に第二回投票が行われ、
左派連合がパリ市議選で全20区中12区を制し、
市選管集計で、計163議席のうち過半数の92議席を獲得する見通しとなった。
その結果、社会党のベルトラン・ドラノエ上院議員が、
24年間、保守の牙城と言われたパリ市長の座に選出されることが確実となった。
ドラノエ氏はフランスで最初に同性愛をカミングアウトした政治家で、
同国史上初のゲイ市長が誕生することになる。
パリで左派市長が誕生するのも初めて。
25日に行われる議員の互選にて、当選する見通しだ。
ドラノエ氏はチュニジア生まれの50才で、現在はパリで一人暮らしをしている。
地方大学のツールーズ大学で学位を取った後、
パリ市議、社会党スポークスマンなど党要職を歴任。
1985年、「私生活を大切にしたい」という理由で突如政界から引退。
8年後に復帰し、95年に市長候補になるが落選。
今回は二度目の挑戦だった。
98年にテレビで同性愛を告白し、注目を浴びた。
「ゲイが政治家になったのではなく、たまたま政治家がゲイであっただけ」と語るように、
“ゲイの政治家”として見られることには抵抗を持っている人物でもある。
同氏は労働者階級のみならず、中産階級の層からも支持を受けており、
汚職スキャンダル続きのシラク政権に今後与える打撃は大きい。
来年行われる大統領選挙でも、ジョスパン現首相が優位になるとの見方が強まっている。
|milk vol.42 2001/03/22 |home|1999 |