カトリック教徒がもっとも多い国として知られるブラジルの下院で、同性結婚の法制化をめぐる投票がこのたび実施される。法案の内容は同性愛カップルにも、相続や社会保障、健康保険などの面で、異性愛夫婦と同等の権利を与えようというもの。法案が可決されれば、ラテンアメリカで同性結婚を認める最初の国となる。
ブラジル社会は一般的に革新的な風潮をもっていると思われているが、今回の法案は保守的な国会議員やキリスト教関係者からの反発があり、下院で可決されても、上院で否決される可能性が高いとみられている。
同性結婚を法制化させようという動きは1995年、労働党の国会議員によって提案されたのが始まりだった。その後、いくつかの反対勢力をおさえるため、連邦のロベルト・ジェファーソン代議士によって、同性カップルを同性愛者に限らずに、兄弟姉妹などにも適用範囲をひろげるなどの修正が加えられた。同性結婚の法制化には、サンパウロ市長なども賛成している。
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