世界各国の首脳や閣僚らが、エイズ感染防止に向けた国際的取り組みを
討議する国連エイズ特別総会が先月25日から3日間、ニューヨークの国連本部で開催され、
国連初となるエイズ撲滅宣言を全会一致で採択し、27日に閉幕した。
同宣言では、2003年までに各国がエイズ対策の国家戦略を立て、
エイズ感染率を25%減少させることや、2010年までに15歳から24歳までの若者の95%がエイズ教育を受けられるようにすること
―などの数値目標が定められた。このほか、ワクチン開発の促進や世界エイズ保健基金の支持が盛り込まれている。
今回の総会には全加盟189カ国、約3,000人の関係者が参加、日本からは日本政府首席代表として森喜朗前首相が出席した。
争点となっていた同性愛者や性産業従事者など、HIV感染の危険度が高い人々についての言及には至らなかった。
これは、一部イスラム国家やバチカンからの反発があり、米国政府がそれを受け入れたためだ。
具体的な数値目標を掲げたことなどは評価されているが、この点について、エイズ活動家や欧州のメディアから強い非難を受けている。
英ガーディアン紙は28日、「イスラム教国は、米国の保守派クリスチャンから圧倒的な支持を誇るブッシュ政権と共謀して、
同宣言の骨抜きに成功した」と伝えている。
|milk vol.47 2001/07/22 |home|2001 |