今回のテロ事件で、最初のゲイの犠牲者となったのはユナイテッド航空93便に乗っていたマーク・ビンハムさん(31)だった。
ハイジャックされたビンハムさんは、自分の携帯電話を使って母親に電話をかけ、機内の様子を伝えた。
そして、母親に愛しているとを告げた後、ピッツバーグの野原へ墜落した。
14日にサンフランシスコで行われた彼の追悼式に出席したアーレン・スペクター上院議員は、
ハイジャック中の乗客とその家族との携帯電話でのやりとりの記録から、
テロリストたちがワシントンに行くことを望んでいたこと、そして乗客たちが彼らを打ち負かそうとしていたことが明らかになった、と語った。
スペクター議員は、ビンハム氏ら飛行機の乗客を、ホワイトハウスのメンバーら、多くの命を救ったと述べ、最も高い民間の名誉賞にあたる自由のメダルという賞にノミネートするだろうと語った。
同性愛者向けの代理店を経営していたビンハムさんは、アメリカで最も評判の高い
小規模代理店の1つにまで成長させたビジネスマンで、サンフランシスコとニューヨークの2箇所にオフィスを構えていた。
プライベートでは「The Fog」というサンフランシスコのゲイのラグビーチームに在籍。
チームメイトのブライス・エバーハート氏は彼について次のように語っている。
「彼はがっちり体型で身長も190cm以上あって、体格的には堂々としているが、
信じられないほど思いやりがあり、知性的な男だった。
おそらく、テロリストたちがさらに何千もの人々を殺すのが堪えられなかったのだろう。
マークは僕にとってヒーローだった」
|milk vol.49 2001/09/22 |home|2001 |