中野武蔵野ホールにて7月29日(土)よりモーニング&レイトショー!!
監督・脚本・出演:鈴木章浩
脚本:タカシトシコ/黒澤潤 撮影:黒澤潤/鈴木章浩
音楽:KUJUN/大木裕之/藤島晃一
出演:今泉浩一/末広あきら/黒岩あきら/葉月蛍/小倉東/大木裕之/ジャスミン/水原文人/他
上映時間:61分 1999年・日本 35mm/カラー
配給:スタンス・カンパニー
□公式ホームページ(天使の楽園)
https://www.stance.co.jp/angel_top.htm
■ストーリー&解説 蒼く涼しい映像なのかで描かれる、男の子と女の子達
タカチはソラオの売春まがいの行為を手伝って過ごしていた。
ソラオをバイクの後ろにのせて、指定の場所へ送り、分け前を
もらう。そんな生活に幸せだったタカチ。タカチはソラオを
愛していたのだ。しかし、ある日突然、ソラオはタカチの前から
姿を消してしまう。ショックを受けたタカチは、自分を取り戻す
ために故郷の高知へ戻るが…。
ベルリン映画祭のディレクターに見出され、トリノ国際ゲイ&レズビアン映画祭に招待、その後も世界の国際映画祭で
続々と招待上映が決定している話題作。この作品がデビュー作となる監督は、ブルース・ラ・ブルース、大木裕之などの作品
のプロデューサーとして知られる鈴木章浩。主演は「
憚り天使」の今泉浩一。また、小倉東、ジャスミン、大木裕之など、ゲイ・カルチャーの担い手たちの豪華なゲスト出演も見所。7月29日(土)より東京:中野武蔵野ホール(03-3389-3301)を皮切りに、大阪、名古屋、神戸、福岡など全国主要都市一般公開予定。
薔薇族映画館での上映を前提に制作された作品が、海外で高い評価を得て、凱旋公開となった異例の作品。蒼く涼しい
映像なのかで描かれる、男の子と女の子達。満たされなく、何処かにあるであろう、自分の場所を探している登場人物たちを
カメラはやさしく切り取ってゆく。淡々としたテンポながら、涼しげなのに暖かい印象を受ける不思議な映像は、この先の将来性を
感じさせてくれる。
■主演/今泉浩一
佐藤寿保作品に出演し、昨年には自ら脚本・監督をつとめた美しい
映像が魅力的だった短編「
憚り天使」が東京国際レズビアン&ゲイ
映画祭にて上映され、絶賛を受ける。次回作は、自ら監督をつとめる
新作がひかえている。
■監督/鈴木章浩
1961年静岡県浜松市生まれ。「第1回東京レズビアン・アンド・ゲイ・
フィルム・フェスティバル」のディレクターをつとめ、その後、大木裕之、
イアン・ケルコフ、ブルース・ラ・ブルースらの作品をプロデュース。
今回の作品が劇場映画デビュー作となる。
以下、監督によるコメント。
僕はまるで8mm映画のように35mm映画ができないか考えていた。友達に会いに行くように役者に会い、その日常を撮るように映画を撮りたいと。僕は役者たちに、映画の中でもその人自身でいて欲しいと
思っていた。なぜなら、普段の彼らの姿を観ているのが僕は好きで、
それがそのまま撮れればいい、と思っていたから。
“曖昧さ”というのはこの映画で最も重要な要素。すべてが明確に
示されるハリウッド映画に僕は興味がなかった。“曖昧さ”は人を引き
つける。良く判らないものを人はじっと見ようとする。言葉の半分も聞き
取れなくても他人の言いたいことは理解出来る。そうして耳を傾け
理解しようとすることが優しさなのだと僕は思っている。
僕はただのゲイ映画を撮りたくはなかったが、自分が作りつつある
映画をどんな映画とよんでいいのかよく判らなかった。タカチの追悼
シーンはこの映画の中で最も残酷なシーン。タカチの死をまるで
お祝いするかのような人々、タカチがゲイだということは、みんなに
とっては笑いのネタでしかないというような状況。そして最後に酔っぱ
らって乱れた男と女はセックスを始めてしまう。僕はそのシーンの
ラッシュを観ながら、ここには暴力的なほどのヘテロセクシャリティが
溢れていると感じた。その感覚は僕が常に僕の周りに感じていたこと
でもあった。そしてそのときはじめて、この映画を“アンチ・ヘテロセク
シャル・ムービー”にしたかったことに気が付いたんだ。
■招待映画祭リスト
□ トリノ国際ゲイ&レズビアン映画祭
□ ストックホルム・ポップコーン映画祭
□ MIXブラジル
□ ベルリン・アートフェスティバル「Z2000」
□ ハンブルグ・レズビアン&ゲイ映画祭
■MILKCINEMA評価:○ T:3 S:3 A:3 P:3 M:4 1600円
■評価について
総合評価マークは(◎…劇場へ足を運ぶ価値有り、デートに最適
○…DVDで十分と思った △…テレビで十分と思った ×…駄作)
Tはテンポ、Sはストーリー・脚本、Aはキャスト・演出、Pは映像、
Mは音楽の評価について各5段階で評価。(5…かなり評価できた
4…評価できた 3…順当な出来栄えと思った 2…努力が足りないと
感じた 1…完全に手を抜いているように感じた) 評価で20を
超えるか、ひとつでも5があると、◎評価になります