【国内】東京都の人権施策推進指針に「同性愛者」再記述
東京都が先月21日に発表した「東京都人権指針〜東京ヒューマン・ウエーブ21の展開〜」の中に、「骨子」の段階で削除されていた同性愛者の人権に関する記述が盛り込まれた。専門家による懇談会がまとめた提言では、同性愛者を人権施策の対象としていたが、 「人権概念として同性愛者は未成熟。都民に理解されない」などの理由から、今年6月に発表された「人権施策推進のための指針<骨子>」では、人権対策の対象となる性的マイノリティーグループから同性愛者が削除されていた。

その後、同性愛団体や人権団体を中心に批判が起こり、東京都へ寄せられた市民からのパブリック・コメント計746通のうち、 約520通が「同性愛者の人権」を明記する要求であったことをうけて見直しにいたった。

しかし、指針では人権問題の現状に関する「その他の人権問題」の記述の中で、「近年、同性愛者をめぐって、さまざまな問題が提起されています」と説明するにとどまり、内容的には不十分としか言い様がない。

動くゲイとレズビアンの会などでつくられる東京都人権指針対策連絡会は先月27日、東京都人権施策推進指針に対する声明を発表し、「同性愛者や性同一性障害のある人々の差別の存在を認めているのであれば、『性別や年齢、障害、社会的身分・門地、民族、国籍等』に『性自認』及び『性的指向』も加え、『機会の平等』の対象として明記すべき」と語った。

また、第2章啓発・教育において、「『啓発』については『同性愛者』、『教育』については『性同一性障害のある人々』及び『同性愛者』が、対象として明記されていないことが問題。これらの人々は、これまで人権啓発・教育の対象から外されてきたこともあって、差別や偏見にさらされることが多く、『啓発・教育』の重要課題であるはずであり、積極的な『啓発・教育の施策』の対象とすることが必要である」と指摘している。

□【号外】東京都へパブリック・コメントご投稿のお願い
https://www.milkjapan.com/2000fmsp03.html
□【国内】東京都・人権対策の対象から同性愛者を削除
https://www.milkjapan.com/2000fn15.html


|milk vol.37 2000/12/22 |home2000

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