同性愛結婚を強行し、教会から閉め出されたレズビアン牧師が聖職に復帰し、ノルウェーの国教会を2分しかねない大論争を起こしている。
ノルウェー南東部のハマル教区でチャプレンを務めていたシリ・スンデ牧師は、同性愛結婚をした後、1997年6月に聖職を追われた。同性愛結婚が法律で認められているノルウェーでは、教会での結婚と養子縁組を除くすべての権利が同性愛者にも保証されているが、ノルウェーの国教であるルーテル教会(人口の約9割が信者)は、97年11月、「同性愛結婚した牧師は、按手を必要とする聖職には就けない」との裁定を下した。
しかし、ハマル教区のロスマリー・クーン監督は、今月1日、神学的根拠のないこの教会裁定には従わないことを表明、スンデ牧師を直ちに元のチャプレン職に復帰させると発表した。
同性愛者の市民グループらは、クーン監督のこの決断を高く評価しているが、神学者らは「国教会に対する市民の反抗」と警告している。また、国教会の監督会会長を務めるオッド・ボンデビック・オスロ監督は、「クーン監督の発言は、国教会を2分させその名誉を傷つけかねない重大なもの。難しい決断を余儀なくされた彼女の心情は察するが、満場一致で裁決された国教会の方針を今さら変えるつもりはない」と断言している。
(参考記事・ソース:2月9日付ルーテル・アワー・プレス・サービス他)
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