1980年代に突然流行が始まり、起源が謎となっていたエイズのウィルスの主流(HIV1型)は、西アフリカのチンパンジーから人間に広がったことが分かったと、アメリカ・アラバマ大学のフェン・ガオ博士らが1月31日、シカゴの学会で発表した。エイズについては、これまでもチンパンジー起源説は指摘されていたが、DNA分析でこの説が裏付けられた形だ。
ガオ博士らは、サルの免疫不全ウィルスに感染していたことが分かっているチンパンジー4匹からウィルスの遺伝子を分離。ヒトのエイズウイルスの主流となっているHIV1型とDNA配列を比較した結果、3匹が持っていたウィルスはHIV1型と同種、と呼べるほど似ていることも分かった。この3匹はいずれも、アフリカ西部を生息域とするチンパンジーで、同地域はヒトのエイズ流行地帯でもある。
もし、学説が正しければ、チンパンジーの抗体をもとにワクチンを開発できる可能性が高まることが期待されている。
(参考記事・ソース:2月1日付CNNニュース)
|milk vol.14 1999/02/22 |home|1999 |