希望すれば旧姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓制度」をめぐり、中村正三郎法相は、戸籍上は同姓を使える「旧姓続称制度」を自民党に提案する意向を決めた。26日の閣議後の記者会見で明らかにした。同党内にはなお夫婦別姓への異論が強いため、戸籍上は同じ姓のままにする案を提示することによって、議論の進展を図ろうとのねらいがある。
「旧姓続称制度」は、配偶者の同意を得た上で届け出れば、社会生活上の全ての場面で旧姓を使うことができるようにしようというもの。離婚後も婚姻時の姓を名乗れるという「婚氏続称制度」(1976年の民法改正で採用)を参考に、野中広務氏(現官房長官)が'97年に自民党内に提案した経緯がある。
この案によれば、夫婦の子は、当然に戸籍上の夫婦の姓を名乗る。また、いったん届け出をすればパスポートなど公的な書類はすべて旧姓で取り扱われるが、その後、届け出によって改めて「続称」をやめることも可能だ。
|milk vol.15 1999/03/22 |home|1999 |