サンフランシスコには、ここ20年ほど「シスターズ・オブ・パーペチュアル・インダルジャンス(永遠に放縦なシスターたち)」と称するパフォーマンス集団が、パレードや慈善イベントなどに登場して、あごひげやつけまつげをつけ、わざとらしいメークをして修道女の姿になり、ローラースケートで走り回っている。下品で冒とく的なパフォーマンスを得意とするこの集団は、同性愛のアーティスト、エイズ活動家、その他多彩な目立ちたがりの人々で構成されている。多少のファンはいるようだが、ほとんどの人はそのパフォーマンスに関心を持たなかった。
ところがこの「シスターズ」が、今年のイースターにあたる4月4日に結成20周年を記念して市内でブロックパーティ(市街のあるブロックの交通を遮断して祭りを行うこと)を行うと発表したことから、カトリック教会のモーリス・ヒーリー・サンフランシスコ大司教はこれを教会に対する侮辱だとして、市当局にパーティ開催の許可を撤回するよう申し入れた。「宗教と市民権のためのカトリック・リーグ」のウィリアム・ドノヒュー代表は「私たちは、修道女の仮装だけに抗議しているのではない。カトリックの核心ともいえる聖体へのわいせつな暴力に対する抗議なのだ」と述べた。これに対し「シスターズ」は「市当局がどのような決定を下そうとも、パーティは予定通り行う。カトリックからの抗議は、変な女装シスターだけにとどまらず、同性愛コミュニティへの激しい攻撃に発展している」と、カトリック教会の要請には従わない態度を示した。
カトリック教会と同性愛者という、二大有権者グループの板挟みになっているウィリー・ブラウン・サンフランシスコ市長は、当初はパーティ開催に好意を示したものの、後に開催日の変更が望ましいという見解を示した。新聞の投書欄にも、偽のシスターをネオナチに例えるもの、同性愛は今までずっとカトリックに屈辱的な扱いをされてきたと「シスターズ」を支持するものなど、さまざまな意見が寄せられた。三位一体監督教会のロバート・クロメイ牧師はサンフランシスコ市調査官宛に手紙を出し「個人的には『シスターズ』がやっている『いかしたイエス』コンテストなどには当惑させられるが、彼らにも風刺的なパフォーマンスをする権利がある。そして私はそれを怒る権利があるということだ」と述べた。(参考記事・ソース:4月7日付ルーテル・アワー・プレス・サービス他)
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