【米】男性同性愛者からのカミングアウトに激怒し射殺、ワーナーら30億円の賠償命令
アメリカのテレビ番組トークショーで、同性愛者の男性から告白された男性が怒ってこの男性を射殺、被害者の遺族が番組制作者に対して損害賠償を求めていた訴訟で、アメリカ・ミシガン州巡回裁判所の陪審は5月7日、番組の制作にあたった、メディア大手のワーナー・ブラザーズとプロダクションに対し、計約2500万ドル(約30億円)の賠償を命じる評決を下した。

事件のきっかけになったのは「ジェニー・ジョーンズ・ショー」という一般視聴者をゲストに招いて、本人の知らない秘密を告白するという人気番組。4年前に行ったご対面の特集に出演したジョナサン・シュミッツ被告が、スコット・アメデュアさん(当時32)からカミングアウトされ、「思い」を打ち明けられた。

その3日後、シュミッツ被告は公の席で辱められたと激怒し、ショットガンを購入、アメデュアさんの自宅を訪れ、胸部を2発撃って殺害した。事件後、同被告は「対面相手は女性だと思っていた」と供述、また精神障害を持っていたことがわかった。遺族側は、「女性と会うとシュミッツ被告に信じ込ませていた」と番組制作側の過失を主張。一方、番組側は「アメデュアさんが登場したときも被告は驚いた様子はなかった。殺害の動機は番組とは無関係。精神障害を持つ男性であることも知らなかった」と反論した。

評決は「事件が起きた責任の殆どは番組の制作側にある」と認定した。ワーナー側は評決を不服として上訴する方針。シュミッツ被告は殺人罪で1996年に有罪判決を受けたが、2審で破棄差し戻しとなり、8月に差し戻し審が開かれる予定。


|milk vol.17 1999/05/22 |home1999

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