武田薬品工業は今月12日、鹿児島大医学部と共同でエイズウイルス(HIV)が細胞内に吸着・侵入するのを外側から防ぐ化合物を発見し、従来のタイプとは全く違った第三の作用の抗エイズ薬として、今夏にも米で臨床試験を始めると発表した。2年後を目安に発売する考えだ。
HIVはリンパ球などの標的細胞に侵入する際、ある種のタンパク質を受容体にして細胞内へ入り込むが、生まれつきこの受容体を持たない人はエイズに感染しないことがこれまでの研究から分かっていた。HIVとこの受容体の結びつきを阻害する化合物が発見できれば、画期的な抗エイズ薬の開発につながるとして、世界中の製薬企業や研究者が研究開発を行っていた。
これにより、12日の武田薬品工業の株価が急伸、売買高ランキング1位を記録、関連薬品会社の株価も軒並み上昇した。
|milk vol.17 1999/05/22 |home|1999 |