クリントン米大統領は議会休会中の今月4日、共和党の保守派が反対していたサンフランシスコの実業家ジェームズ・ホーメル氏を次期ルクセンブルク駐在大使に指名した。これにより、米国初の同性愛者の大使が誕生する見通しとなった。
指名されたホーメル氏は国連人権委員会(ジュネーブ)の米国政府代表や国連次席大使などを就任、民主党の大口献金者でもある人物。大統領は1997年10月以来、2度にわたってホーメル氏をルクセンブルク大使に指名。前回は共和党保守派に承認投票を阻止され、空席となっていた。大使や政府高官の登用に当たっては「米国らしい幅広さを」と述べ、同性愛者であるかどうかよりも「大使に相応しいかどうかを見てほしい」と、以前より呼び掛けていた。
ただ、大使人事は通常、大統領の指名後、上院の承認手続きをとるが、議会休会中は承認を必要とせず、共和党が今回のやり方に反発するのは確実と見られる。もともと今回の人事には、共和党の有力支持母体のキリスト教保守団体が強く反対していた。
|milk vol.18 1999/06/22 |home|1999 |