ニュージャージー州最高裁判所は今月4日、同性愛者を組織に加わることを認めない全米ボーイスカウト連盟の規則は差別を禁じている同州の州法に反し、無効であるとの判決を判事全員の一致で下した。ボーイスカウト連盟に対してはこれまでにも同様の訴訟が起こされていたが、連盟側が州最高裁段階で敗訴したのは初めて。
訴訟を起こしていたのはジェームズ・テールさん(29)。小学校の頃からボーイスカウトに参加して活動を続けていたが、同性愛者であることをスカウト指導者が知った1990年、「スカウトは道徳的に正しくなければならない」との規則に違反したとして退会させられたため、会員としての地位保全を求めていた。
1995年に下された州地裁の判決は、「同性愛は重大な非道徳行為である」とし、ボーイスカウト側の「民間団体は自由に規則を決められる」との主張を指示したが、州高裁は「ボーイスカウトでの事態は、同性愛者に対する紋切り型の先入観が排除されなければならないことを証明している」とデールさん勝訴の逆転判決を下していた。州最高裁は、「ボーイスカウトは幅広い層の会員がいるなど公的な性格が強い」と高裁の判決を支持した。
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