■【東京新聞】府中青年の家裁判から10年―ここまで変わった東京都
■8月31日付・東京新聞(東京版)
知事の諮問機関である「人権施策推進のあり方専門懇談会」が、先月30日に都庁内で開かれ、同性愛団体に対するヒアリングが行われた。この日、アカーをはじめとする同性愛団体らがまとめた内容を発表、同性愛差別は人権問題であること、同性同士のカップルも都営住宅や公団住宅へ入居する権利があること、本人による性別選択の自由、医療現場におけるガイドラインづくりなどを要求した。
来年2月で、あの「都立府中青年の家」裁判から早くも10年。「同性愛はSMやフリーセックスと同じ。異常性行為」などと発言をしていた東京都もここまで変わってきている。以下、東京新聞掲載記事より。
■『差別は人権問題』同性愛者団体・知事の諮問機関で指摘
都人権施策推進指針(仮称)づくりのための知事の諮問機関「人権施策推進のあり方専門懇談会」(座長・戸松秀典学習院大教授)が先月30日、都庁内で開かれ、同性愛者団体に対するヒアリングを行った。
同懇談会では、国連提唱に基づき、日本政府が人権教育の重要課題としている9課題中、子どもや障害者など8課題について、ヒアリングを行ってきた。しかし、同性愛者や性同一性障害当事者らの団体が同懇談会に対して、ヒアリングの機会を求める要望書を提出。同懇談会も「現代社会の人権問題として検討を」と判断し、ヒアリングを追加することにした。
この日のヒアリングでは「動くゲイとレズビアンの会(アカー)」=中野区、会員約350人=代表者が、他の2団体と協力しながらまとめた内容を発表した。
同会は「先進諸国を中心に性的指向による差別が人権侵害であることは定着しつつあり、憲法などで禁止している国も増えている」と説明した上で、国内では同性愛者に対する差別や偏見が根強い現実を指摘。
都に対しては、人権問題であることの公的な認知をはじめ、積極的な啓発施策や社会制度上の対応を要望した。具体的には、同性同士のカップルも、男女の夫婦のように都営住宅や公団住宅などへの入居を認めることや、本人による性別の選択の保証、医療現場でのガイドラインづくりなどを求めた。
同会では、「同性愛者らの人権問題が、当事者を招いて、自治体の人権施策づくりの場で語られることは画期的」と評価している。
同懇談会で2月から行ってきたヒアリングはこの日で終了。11月を目標に「都人権施策推進のあり方」をまとめ、知事に答申する。都は年度内を目標に、都人権施策推進指針を策定することにしている。
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