■大阪の女子高校教諭・池田久美子さんを特集
■6月15日放映・TBSテレビ「ニュースの森」
TBSテレビ系列の夕方のニュース番組「ニュースの森」で、“高校でカミングアウト。私は同性愛…に生徒は”と題した特集が放映され、MILKでもたびたび登場している大阪市内の女子高校教諭・池田久美子さんらが大きく取り上げられた。放送時間はCMも挟んで約13分間。同性愛者への偏見を取り除こうという趣旨が伝わってくる放送内容だった。
特集では、池田さんをはじめとする「黙っていれば異性愛者と区別が付かない同性愛者」が続々登場。これまで、同性愛者⊆女っぽい男性(または男っぽい女性)と思い込んでいたお茶の間の奥様方たちを、さぞ仰天させたのではないだろうか?
印象的だったのは、中盤でカミングアウトをした池田先生の行動に対して反論した保護者たちが、顔にモザイクをかけた状態で発言をしていた点。少し前ならば、同性愛者の方がむしろ顔を公表できないケースが多かったのに、立場が逆転しているのは社会が変わりつつある兆しに見える。以下、放送内容。
■正しい情報を与えるのは大人の責任
冒頭の4分間は池田久美子さんに関するレポート。池田さんは、「思春期の頃から惹かれるのは女性だった。大人になれば変わると信じていたがそうではなかった」「ある日、同性愛について書かれた著書のなかで同性愛は精神病の一種として書かれてあったのがショックだった。けど自分に照らし合わせたとき、それは絶対に違うなぁ、と思っていた」と、思春期の記憶を振り返った。
その後池田さんは教師という道へ進み、生き方のサンプルとしてある親や教師が、どうして自分の生き方をはぐらかさなければいけないのか、果たしてそれが教師といえるのか、という矛盾に悩み、その結果、カミングアウトをしたのだという。打ち明けた後の生徒たちの反応はおおむね好意的で、「心の内側から話せば、生徒は内側から返してくれるもの」と語った。
しかし特集の中盤には生徒の保護者とみられる女性らが、池田さんが同性愛を告白したことに対して、「プライベートな事を言う必要があるのか疑問」といった否定的な見解を述べた。
後半は大阪府内の大学生O君(GAKUさん)が登場。女性が好きな自分を演出していた頃のつらい経験などを語り、「(正しい)情報を与えるのは大人の責任」と感じ、同性愛者に向けたホームページ(GAKUの???・MILKのリンク集に掲載されています)を開設していることが紹介された。
最後に、1993年WHOにて同性愛が精神障害から外されたことを伝えて特集は終了した。
|milk vol.21 1999/09/22 |home|1999 |