先月末、全米各地から125人もの同性愛の警察官がサンディエゴに集まった。「ゲイ・レズビアン犯罪捜査官協会」の6周年の集会で彼らを取り巻く環境のほか同性愛者であることを名乗れない同僚の話、同性愛がらみのヘイトクライム(憎悪犯罪)捜査などさまざまな問題が議論された。
「100人以上も集まるなんて!でも実際は1000人はいるはずだ」とサンディエゴ警察のジョン・グラハム氏。ゲイであるグラハム氏同様、参加者のほとんどが同性愛者であることを公にしている。しかし、彼らは、職場に同性愛者であることを名乗れない同僚が多いことにフラストレーションを爆発させる。
ボストン警察の刑事、ノーマン・ヒル氏は「ゲイであれ、われわれがよい警察官であることが認められるよう、警察官でも同性愛者であることを公表できるよう、われわれは戦っている」と訴える。男らしさ、マッチョの世界である警察社会でゲイやレズは批判やいじめの対象となっている。米国では現在6つの州でゲイの公職者への差別を提訴した控訴が係争中だ。
ロサンゼルス・コミュニティカレッジの警察官、A・J・ロテーラ氏は4年前にゲイ警察官の全国集会に参加したことで嫌がらせにあった。身に覚えのない同性愛絡みの雑誌が送られ、同僚には“GAY4U”と書かれた州のライセンスプレートを偽造されたことも。だが、同性愛者であることを今も隠している警察官も、本心では明らかにしたいようだ。
米国ではヘイトクライムが問題となっているが、警察の認識不足が原因である点はあまり伝えられていない。「われわれ(同性愛の警察官)こそが警察の認識不足を解消できるのに」と参加者の女性警察官は言う。
しかし、現実は厳しい。参加者は「まじめに働いていれば」と同性愛警察官の真の市民権獲得の日まで地道に公務にいそしむことで合意、会場をあとにした。(参考記事・ソース:9月24日付 産経新聞より)
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