【米】医師会・タックルやヘディングは学習能力を低下させる?
先月米国の医師会雑誌ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカルアソシエーションにこのほど発表された論文で、頭部への衝撃と学習能力の低下に密接な関係があることがわかった。

これによると、米国内の大学のアメリカンフットボール部員約400名を対象にした調査で、3分の1の選手がプレー中に脳しんとうを起こしたことがあり、約13%の選手に学習障害の症状が見られた。特に、脳しんとうを2度以上経験した学生は筆記試験の成績が悪い傾向が強く、頭痛や睡眠障害、集中力の欠如といった問題を抱えるケースも多かった。サッカー選手の場合も、水泳や陸上などの他の選手に比べると、知能テストの成績が悪いという結果も出された。

また、脳しんとうを起こすと、24時間は思考力に明らかな衰えが見られることや、成長途上の脳は成人に比べて、回復力が遅いことも分かった。このため神経心理学の専門家は、「脳しんとうを起こした場合は、練習に復帰するまでに十分な時間をかける必要がある」と警告している。


|milk vol.22 1999/10/22 |home1999

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