【本日の話題】REACH Online 2008 + 2007年調査結果

■ REACH Online 2008 とは?
「REACH Online(Researching Epidemiological Agenda for Community Health)」は、1999年から行われている「ゲイ・バイセクシュアル男性、 あるいは男性とセックスの経験がある男性を対象にしたインターネット 調査のこと」です。「男性同性間のHIV感染予防対策の実施に役立てる ために、セックスやそれに関連する問題や実情を明らかにすること」を 主な目的としています。


■ 昨年の有効回答数は過去最多の 「6282人」
昨年のインターネット調査「REACH Online 2007」では過去最多の有効回 答数(6282人)となり、アジアにおけるゲイ男性対象のインターネット 調査としては最大級規模の研究参加者数となりました。ご協力いただいた すべての皆様、ご協力ありがとうございました。

通算で7回目となる今回は、健康問題だけでなく、ゲイ男性のライフスタ イル調査としても分析できるように、旅行やファッション、外出にどのく らいのお金をかけているのかといった、日々の生活に関わる質問項目も 数多く盛り込んでいます。今年もご協力よろしくお願いいたします!

□公式ホームページ(REACH Online 2008)
http://www.j-msm.com/s/2008/


■ 過去の調査結果について
「REACH Online」は男性を対象にしたものですが、調査内容はHIVに関 すること以外でも、カミングアウトに関することや、同性婚についての意 識調査など、近年は多岐にわたっていて、調査結果は、レズビアンやバイ セクシュアル女性らにも、興味深いものになっています。今回は、2007年 に実施された調査結果から、その一部をご紹介したいと思います。

すべての調査結果は、下記サイトにて公開されています。

□2007年実施調査(有効回答数 6282人)
http://www.gay-report.jp/2007/
□2005年実施調査 (有効回答数 5731人)
http://www.gay-report.jp/2005/
□2003年実施調査(有効回答数 2062人)
http://www.joinac.com/spirits-wave2/
□1999年実施調査(有効回答数 1025人)
http://www.joinac.com/tsukuba-survey/

■ REACH Online 2007でわかったこと 1
■ 親へのカミングアウト率は微増、全体へのカミングアウトは低下傾向に

「親にカミングアウトをしている」と回答した人は14.7%(926人)で 2003年、2005年の調査結果(ともに13.8%)と比較して微増しました。 両親ともにカミングアウトをしている人は7.9%(498人)、 母親のみが 6.2%(389人)、父親のみが0.6%(39人)でした。一方、親以外への カミングアウト率は44.5%(2797人)で、2003年の51.4%と比較すると、 こちらは低下傾向にあると言えます。

□もっと詳しく結果を見る (「属性」に関する調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result01.html

■ 「REACH Online 2007」でわかったこと 2
■ 「LGBT当事者の政治家がいた方がいいと思う」 59.8%

「日本にLGBT当事者の政治家がいた方がいいと思いますか」との設問に対 して、「そう思う」と回答した人は59.8%(3759人)、「そう思わない」 は6.6%(417人)、「どちらとも言えない」は32.8%(2062人)でした。

□もっと詳しく結果を見る (「属性」に関する調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result01.html

■ 「REACH Online 2007」でわかったこと 3
■ 「日本に同性婚の制度があればいいと思う」 58.9%

「日本に同性婚の制度があればいいと思いますか」との設問に対して、 「そう思う」と回答した人は58.9%(3702人)、「そう思わない」は 10.3%(649人)、「どちらとも言えない」は30.1%(1894人)でした。 2005年の調査と比較して、同性婚を望む人の割合は微増し、同性婚を 望まない人は11.4%から減少しました。

□もっと詳しく結果を見る (「属性」に関する調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result01.html

■ 「REACH Online 2007」でわかったこと 4
■ 「教育現場での同性愛に関する取り扱いは不適切」 90.9%

「これまでの学校教育で同性愛についてどのような情報を得ましたか」と いう設問に対して、全体の90%以上は「同性愛に関して不適切な対応を された経験がある」と回答しました。その内訳は、学校や教育機関におい て、「同性愛について一切おしえてくれなかった(習わなかった)」と 回答したのが76.5%、「異常なものとして取り扱われた」が4.5%、 「同性愛を否定的なものとして取り扱われた」が9.9%でした。 一方、「肯定的な情報として取り扱われた」は、わずか6.8%でした。

この結果は1999年、2005年の調査とほぼ同様の傾向です。また、「同性愛 について肯定的な情報を得た」と回答した人の割合がもっとも高かったの は10代でしたが、「同性愛について否定的な情報を得た」と回答した人の 割合も、この世代が最も多いという結果が出ました。

□もっと詳しく結果を見る (「教育現場」に関する調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result02.html

■ 「REACH Online 2007」でわかったこと 5
■ 「自分の性的指向に悩んだことがある」 67.2%

「自分がゲイ・バイセクシュアルであることに気づいたときに悩んだこと がある」と回答した割合は全体で67.2%。年代別で見ると、もっとも高か った年代は10代(71.3%)でした。「自分の性的指向について、誰かに相 談したいと思ったことがある」と回答した割合も、10代が58.8%でもっと も高いという結果が出ました。また、「結婚のプレッシャーを感じたこと がある」との設問では、40代がもっとも高く、61.7%でした。

□もっと詳しく結果を見る (「生育歴の出来事」に関する調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result03.html

■ 「REACH Online 2007」でわかったこと 6
■ 半数以上の人が間違って覚えている「HIV/STIに関する知識」がある

HIV/STI(性感染症)一般知識は、正答割合が高い項目と低い項目と違いが みられ、中には「B型肝炎はワクチンで予防することができる」のように、 正解率が50%を切るものもありました。その他、「薬の効かないHIVが出 てきていること」「HIV迅速検査やHIV自宅検査キットでは、感染していな くても感染しているという結果が誤って出ることがある」といった項目の 正答割合は、どの年齢層においても低いという結果が出ました。

□もっと詳しく結果を見る (「HIV/STIの一般知識」の調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result04.html

■ 「REACH Online 2007」でわかったこと 7
■ 特定のパートナーのみと性行為28.6%、アナル経験者81.6%

過去6ヶ月間に男性とセックス経験があった割合は全体で87%(5472人)。 このうち、性行為の相手が特定のパートナーのみと回答したのは28.6% (1563人)でした。過去6ヶ月間のアナルセックス経験割合は81.6%で、 相手が誰であれ、コンドームを毎回使った(常用)割合は33.9%でした。 また、セックスパートナーが複数の場合、人数が増えるに従ってコンドー ムの常用割合が低くなる傾向にありました。

□もっと詳しく結果を見る (「性行動/関連施設利用状況」の調査結果)
http://www.gay-report.jp/2007/result04.html


【案内】 「REACH Online 2008」 アンケート調査ご協力のお願い
男性とセックスの経験があるゲイ・バイセクシュアル男性、あるいは男性 とセックスの経験がある男性を対象に、HIV予防やメンタルヘルス対策に 役立てることを目的としたアンケート調査「REACH Online 2008」が今年 も始まりました。これまでに回答したことがある方でも回答可能です。 ご協力よろしくお願いいたします。

■研究実施者
日高 庸晴(ひだか やすはる)関西看護医療大学看護学部講師
京都大学大学院医学研究科 非常勤講師
木村 博和(きむら ひろかず)横浜市健康福祉局保健政策課 医師
本間 隆之(ほんま たかゆき)金沢大学医薬保健研究域 助教

■問い合わせ先:REACH Online 2008
https://www.j-msm.com/mail/index.html

□公式ホームページ(アンケート調査回答ページ REACH Online 2008)
http://www.j-msm.com/s/2008/


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