【案内】 京都・4月2日(土)開催「第15回お昼のへなへないと」

どうしていつも「男と女」なの? フェミニズムの中にもある異性愛中心主義
「家族の価値」を旗印にして「ジェンダーフリー」が攻撃されている中で、「家族の価値」論者のみならず、社会とフェミニズム運動の中にも存在する異性愛中心主義を、どうやって問題化するのか。「両性の平等」と書かれた日本国憲法24条の条文の問題点をはじめ、異性愛中心主義や護憲運動の問題点などについて討論します。 パネラーは、四津谷薫さん(憲法勉強会ベアテの会)、藤岡和美さん(高槻ジェンダー研究ネットワーク)、ひびの まこと(プロジェクトQ)。

・お昼のへなへないと 第15回『どうしていつも「男と女」なの?』
■日時:2005年4月02日(土) 14:00〜18:00終了予定
■料金:500円
■場所:ひと・まち交流館(京都)3階 第4会議室
河原町五条下る東側
市バス17,205号系統「河原町正面」下車すぐ
京阪電車「五条」下車 徒歩8分
地下鉄烏丸線「五条」下車 徒歩10分
http://www.hitomachi-kyoto.jp/
http://www.hitomachi-kyoto.jp/sysimg/floor_contents/map.gif

■主催・問い合わせ先:
生と性はなんでもありよ!の会 プロジェクトQ(「へなへないと」プロジェクト)
henahena@projectQ.info TEL:090-1156-3039(ひびの)

□OFFICIAL SITE
http://projectQ.info/
http://projectQ.info/modules/news/article.php?storyid=37

※以下、資料転載

【パネラー紹介】

●四津谷薫(憲法勉強会ベアテの会)
 24条は成立の過程、時代背景から考える必要もありますが、「婚姻」という文 言が異性愛が自明であるかのような社会をひきずり、基本法である憲法が下位法 である民法の家族主義や戸籍法にお墨付きを与え、追認した事実は否定できませ ん。また、24条の存在自体が「国家」の名のもとに「家庭」「家族」を規定・規 制する復古調改憲案への入口をつくりだしている点も見逃してはいけません。

●藤岡和美(高槻ジェンダー研究ネットワーク)
 憲法24条を、「家族や共同体の価値を重視する観点」から見直そうという自民 党案には、断固反対の立場です。この方向には、個人の権利の抑圧しかないから です。また別の観点から、条文を見直すにも、今はその時期ではないと思ってい ます。しかしそれは議論をしないということではありません。条文の中の、「両 性」「夫婦」「婚姻」といった用語の見直し、あるいは、このような条文が憲法 に必要かどうかも含め、もっともっと幅広い議論が必要と考えます。家族、婚姻 制度、性、性差別について、それぞれの囚われから抜け出して、しなやかに貪欲 に議論していきたいものです。

●ひびの まこと(プロジェクトQ)
 異性愛を中心とする社会のあり方は、今の日本では「当たり前」になってし まっています。憲法24条が異性愛のことだけを記述する典型的な異性愛中心主義 の条文であることは、こういった今の日本社会を象徴しています。  自民党などの「家族の価値」論者の目的は、単に「両性の平等」の否定だけで はなく、多様な性のあり方と平等を否定し、男性中心で異性愛中心の現在の性差 別社会を延命させることです。ですので、本来「今の社会」の問題点を指摘して その改善を主張するべき「私たち」の運動が、例えば24条の条文自体が持つ異性 愛中心主義に目をつぶって、その改正ではなく「24条を守れ」と言い出すこと は、まさに「敵」の思うつぼです。罠にはまらないで!

【企画の趣旨】

女性差別と闘うフェミニズム運動を始め、異性愛主義を問う運動、トランスジェンダーやインターセックス、アセクシュアルの表現や主張など、性の領域における自由と権利、多様性と平等を求める運動は、以前に比べれば大きな広がりと深まりを見せています。その内容には不十分点もありますが、実際に日本でも「改正男女雇用機会均等法」や「DV防止法」「性別変更特例法」などが制定されました。問題もあるため成立はしていませんが「人権擁護法案」では明文で性的指向による差別を禁じています。さらに、欧米諸国では同性同士の法的な結婚を認める国も出てきています。

このように実際に社会が変わりつつある中で、現在も残る性差別的な社会のあり方を守ろうとする人たちが「家族の価値を守ろう」「伝統を大切にしよう」という言い方で、反撃をしています。「新しい歴史教科書をつくる会」などによる「ジェンダーフリー運動」への攻撃や、「家族の保護」を憲法に書き入れようという読売新聞の主張、憲法24条の「両性の平等」を見直そうという自民党の動きなどです。こういった動きは、単に現在の性差別社会を延命させようというだけでなく、個人の権利よりも家族や国家の都合を優先させよう、家族や国家に奉仕する生き方を個人に強いようとする動きでもあります。

こういった動きに対しては、一つ一つ反論し、性の自由と権利、多様性と平等を求める運動をこれまで以上に続けていくことが大切だと私は思います。しかし、自民党などによる憲法改正が話題になる中で、一部のフェミニズム運動が事実上「24条を守れ」という趣旨の主張を掲げています(注)。ところが実は、憲法24条は、性別が男女の2つしかないことを前提として、異性間の婚姻しか想定していない、典型的な異性愛中心主義・性別二元主義、そして婚姻中心主義の条文です。その意味で、24条の条文と歴史には問題も多く、守るべき条文ではなく、改正するべき条文です。

実はジェンダーフリー運動の中では、異性愛中心主義に対する取り組みも進められ、多様な性のあり方についても積極的に取り上げてきました。そして実際にそういった取り組みが保守派に集中的に攻撃されています。憲法が性差別を助長する方向に変えられるほどの危険性がある今の状況下で、異性愛中心主義の問題点や多様な性のあり方を、今まで以上に積極的に表現していく必要性がある。私はそう思います。24条についていうなら、24条の果たしてきた(果たしている)肯定的な部分だけに注目するのではなく、24条の条文自体が持つ問題点について、今まで以上に「私たち」自身が積極的に問題化していくことこそが、本当に社会を変えていくために重要になっていると思うのです。

残念ながら異性愛中心主義は、「家族の価値」を唱える保守派のみならず、いまの社会とフェミニズム運動の内部にも存在します。例えばもし「STOP!憲法24条改悪キャンペーン」が、24条の条文自体の問題点と本来は改正が望ましいこととを公式に認めることができないのであれば、それは異性愛主義の運動に他なりません。

「家族の価値」論者による反撃が激しく行われているいるそのただ中で、「家族の価値」論者のみならず、社会とフェミニズム運動の中にも存在する異性愛中心主義を、どうやって問題化するのか。実際、パネラーとして参加頂ける四津谷さんの「憲法勉強会ベアテの会」は、悩んだ上で「STOP!憲法24条改悪キャンペーン」に団体として賛同しています。また、同じく藤岡さんもこのキャンペーンに賛同されています。

企画では、この賛同をしたいきさつなどについてもお伺いしながら、保守派のみならず、社会とフェミニズム運動の内部にも存在する異性愛中心主義を、どうやって問題化するのかについて、率直に討論したいと思います。意見が異なっている部分もあると思いますので、厳しい議論になるかもしれませんが、お互い誠実に意見の交換ができればと思っています。また、会場の参加者の方とも議論できる時間を十分にとろうと思います。主催者と異なる意見をお持ちの方の参加も歓迎します。あなたのご意見を、聞かせて下さい。話し合いをしましょう。(文責:ひびの まこと)

(注)「STOP!憲法24条改悪キャンペーン」は、必ずしもその名前からは「24条を守れ」と言っているわけではありません。しかし、・サイトのURLが「savearticle24(24条を守れ)」となっている・「24条を異性婚主義と決めつけることもできない」という間違った認識の意見をサイトに掲載している・実際に数人のメンバーと意見交換した限りで、24条の異性愛主義とその改正の必要性を認める人が一人もいなかった、といういきさつがあります。ですのでこのキャンペーンについては、私は、24条に明文で書かれている異性愛主義にわざと目を つぶることで、24条の問題点を隠蔽する効果を持っている、結果として24条が、まるで「守るべきもの」であるかのような間違った認識を対外的に広めている、問題がある運動になってしまっていると判断しています。この評価についても、当日議論になると思います。

【その他】

●「新しい歴史教科書をつくる会」の西尾幹二氏の講演「日本の歴史教育と未来」から抜粋 (藤井寺青年会議所主催の公開例会 2001年2月19日)
「はっきり申し上げれば、ジェンダー教育というのは男女平等教育ではなく、男女の性の違いをなくすという、男女の区別の否定を目指しているのです。性転換手術を受けたゲイボーイを小学校の教室に呼んで話をさせたり、最終的には同性同士の結婚を正当化することが最終目的になっていることに誰も気づかないのです」 「いろいろな人というのは、インターセクシャル、トランスジェンダーです。昔は半陰陽、男女、すなわち男でもあり女でもあるということです。0.01%ぐらいの異常な体に生まれついた人のことです。この人たちの権利を認めようという運動を行っているんです」 「ハラを抱えて笑うようなことを最後に紹介します。やっぱり気違いの集団だと言うことがすぐわかります。このグループの研究方法として、ジェンダーは着るものから徹底する衣装と化粧ということで、男が女の衣装を着たり、化粧を塗りたくっている男たちがいたりしている。写真でははっきりしませんが、これはゲイボーイの集団ですよね。異常でしょ。こういうものに東京都が金を出して、研究させている。これが日本の教育へどんどんどんどん入ってくる」

●日本国憲法24条
1 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

●「STOP!憲法24条改悪キャンペーン」
http://blog.livedoor.jp/savearticle24/

●「へなへないと」とは?

世の中には男と女がおり、男女は区別できる別のもので、「男らしく」「女らしく」する事が当たり前。ただ1人の異性とカップルになって結婚することが幸せで、セックスはパートナーとしかしない。女性の平均賃金はいまだに男性の約半額で、相撲・野球・サッカーなど「男が主役」のスポーツがテレビで長時間放映されるのがいまの私たちの社会。実は女性は2級市民。性的な暴力は「大したことではない」と容認され、性労働は違法とされる。そんな、「男女という制度」は既に制度疲労を起こしているにもかかわらず、残念ながらいまだに力を 持っています。「へなへないと」は、「男女という制度」にのっからないで生きていこうと試みてみる、性別という観点から新しい文化を創っていきたいと思う人たちのための場です。

もちろん性別のことだけでなく、様々な課題にも手を広げる予定です。何より一番大切なことは、一人一人が自分の生き方を問い直し、新しい自分をつくっていくほんの少しの勇気を持つことではないでしょうか。


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