【リポート】 当事者運動の進め方 ― 同性パートナーの法的保障に向けて

今年の夏、同性パートナーシップを法的に保障することの必要性を共通 認識として情報交換や研究交流を行なう「同性パートナーの法的保障を 考える有志ネットワーク(仮称)」が立ち上げられ、同ネットワークが 主催する初めての集会が8月23日(土)、東京ウィメンズプラザにて開 催された。開催数日前のみの告知にも関わらず、当日は同性愛者や法曹 関係者などを中心に30名以上の参加者が集まった。

今回のゲストスピーカーは、民主党所属の家西悟衆議院議員。家西議員 はまず、薬害エイズ被害者として運動を進めていく上で、必要に迫られ たカミングアウトの困難さや親族との対立や軋轢など、自身の体験を語 った。その話からは、同性愛者にも相通じる「痛み」が感じられた。

次に、家西議員は立法府の一員としての立場から、「日本の政治家や裁 判官、そして世論も『誰がトクをするのか』ということに非常に敏感で ある」と指摘。同性パートナーの法的保障を進める上では、「同性愛者が トクをするための法律改正ではなく、マイナスにある状態をゼロに戻し てほしいだけであるとの訴え方が有効的ではないか」と語った。具体 的には、「通常の配偶者同士に認められている相続権などが、同性同士で あるために認められていない。それを保障せよ。」という方法論である。

家西氏は最後に、「政治の世界にタナボタということはありません。ぼ た餅が棚の上にあるのなら、下から棒で突っつく、棚を揺すってみるな ど、できることは何でもして『ぼた餅』を手に入れるべきです。黙って 眺めているのでは、ぼた餅はカビが生えてしまうでしょう。マイノリテ ィの権利拡大のために共にがんばりましょう」と講演を締めた。その後 の質疑応答の時間では、予定時刻を過ぎても、参加者のひとつひとつの 声に耳を傾けて、家西議員は丁寧に回答を続けた。一方的な集会とは対 極をなす、双方向的なやり取りが印象的であった。

■日時:2003年8月23日(土) 18:00〜21:00
■料金:1,000円 (会場・資料代含む)
■場所:東京ウィメンズプラザ第一会議室
東京都渋谷区神宮前5-53-67
■主催:同性パートナーの法的保障を考える有志ネットワーク(仮称)

□連絡先メールアドレス(主催者)
dousei_partnership@hotmail.com




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