【韓国】「私も時にはポルノグラフィーの主人公になりたい」
■「韓国には性別や立場の違いによって、
■性生活を自由に語ることができない社会規範がある」
■(総合評価:★★☆)

韓国ではいま、女優が自らの性体験を赤裸々に綴った本が話題を呼び、社会問題化になっている。 それは、徐甲淑(ソ・ガプスク)が書いた「私も時にはポルノグラフィーの主人公になりたい」という本。彼女のこれまでに体験した「性」について告白した著書で、内容は「同性愛」「強姦」「初体験」「グループ・セックス」といったものが、切々と語られている。

韓国は、性に関する文芸や映画などの芸術作品について、厳しく取り締まることで知られる国。5年前には、女子大生の性生活を描いた小説「楽しいサラ」を執筆した延世大学の馬教授が、淫乱製造罪で、懲役8ヶ月、執行猶予2の判決を受け、職を追われたことがある。1997年9月には、同性愛者の人権団体が、同性愛をテーマにした映画を大学にて上映しようとしたところ、警察による圧力がかけられ、中止に追い込まれたこともあった。

今回もそれらの例にもれず、ソウル地検はただちに本の淫乱性について内偵を進め、早々と「青少年向け有害刊行物」と指定。販売を停止する大手書店も続出し、懲役刑が言い渡されるかと注目された。 しかしながら、司法当局の対応は、その後急速に減速していった。淫乱性という点においては、過去に法的処分を受けた作品と同レベルであったにも関わらず、結局「問題なし」として処理された。

その理由は、インターネットによる世論に対するアンケートの結果が強く影響したと見られている。「内偵に関してあなたはどう思いますか?」という質問に対して、60%以上の人が反対の意向を示した。

今回の騒動について徐さんは、「性体験の告白という内容のものは、昨年にも文化評論家の男性が書いていて、その時は評価すらされた。なのに、女性である私が書くと、同じ内容でも社会問題にまでなってしまう。馬教授が法的処分まで受けたのは、大学教授という立場にいたから。韓国には、性別や立場の違いによって、性生活を自由に語ることができない社会規範がある」と語っている。

韓国社会の「性」に対する意識も、変革の時期に差し掛かっているようだ。


|milk vol.27 2000/03/22 |home2000

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