【朝日テレビ】ニュースステーション「どんな組み合わせでも家族になれる」
■放送内容&解説

今年4月、アメリカで初めて同性愛のカップルにも一般の夫婦と同等の利益と保護を認める「シビル・ユニオン(合同生活)法案」が成立したバーモント州。マークとハル、そして娘の「家族」を軸に、この法案について伝える感動的なリポート。放映時間は約9分間。

バーモント州は、世界ではじめて黒人奴隷解放を行ったリベラルな州として知られ、州の住民もそのことに誇りを持っている地区。法案は、税制、相続、養育権、育児休暇、税の控除など、婚姻関係にまつわる300以上の社会的利益・権利を、ゲイのカップルにも認めるというもの。久米宏のKYコメントはともかく、特集自体は素晴らしいものであった。



■ステイシー&ニーナ

ともに44歳の女性カップル。めでたく夫婦になり、現在は赤ん坊と3人暮らしをしています。

「同性のカップルが結婚したがるのは、子どもを守るため、それも経済的な理由が大きいんです。きちんとした法律的なきずなで、子どもの面倒を見られるようになりたかったのです」



■ピーター・ブラウンウエル上院議員
「アメリカにとって画期的な第一歩です。子どもを心配する人々と話すほどに法的に何かをするだけでなく、 正しいことをしているのだという思いを強くしています」



■反対派リーダー/ナンシー・シェルトラ
「男女の結婚こそがあらゆる国の基盤を作っています。同性カップルが同じ生活をし、特権を得られるだなんて、 男女カップルの権利や利益を損なうことです」



■キャピス

キャピスはマークと離婚した元妻との間に出来た13才になる娘。4年前に父親のマークがハルと知り合い、それから3人で暮らすようになる。父親のことをよく理解してくれています。

「2人のお父さんとの暮らしは何も変わってないわ。もう慣れちゃったしね。 友達だって、説明しなくても分かってくれるもの」



■父親/ハル
「娘は最初からいつも僕たちの一部だったんだ。デートのときはよく3人で食事もしたよ」



■もうひとりの父親/マーク
「娘にはとにかくすべてを話し、説明するようにしている。娘と一緒にできることなら最善を尽くすよ。 (両親が披露宴に姿を見せなかったことについては)しばらくはつらいだろうけど新しい家族を作ることはやめない。 両親は僕と違うものを信じているんだ」



■キャピスが二人の父親にささげる詩

キャピスは二人の父親に、マリーアン・ホバーマンの詩「家族」を贈った。
特集はこの詩を朗読して終了。

家族って何 家族って誰のこと
二人の人が一緒になるのが家族
赤ちゃんとお父さん、お母さんも家族、
両親と姉妹、兄弟も家族
どんな人でも家族になれる
どんな組み合わせでも家族になれる



■テレビ朝日・結びのコメント 「どんな組み合わせでも家族になれる」

「(会社で話すにはいいネタになりますね、という久米のちゃかしたようなコメントに対して解説者が)この問題は興味本位で扱わないほうがいいと思います。この場合は同性愛者カップルだったわけですけど、そうでなくても、シビルユニオン法案という考え方は、ずっと単身で生きてこられて、老境に入って、これから死を迎えるとき、本当にお互いのことが分かっているカップル、男女でも、男と男でも、女と女でも、そういう人たちがお互いのために社会的な単位を作っていける法律という風に考えますと、これは将来性のある法律だと思いますね」

(2000年7月24日放映 評価:★★★)

【メディアチェック】三つ星評価の見方
★★★…セクシュアルマイノリティ当事者から見て、不快に思わない内容だった
★★☆…不快に思う内容が含まれていた
★☆☆…非常に不快に思う内容だった


|milk vol.34 2000/09/22 |home2000

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