【米】連邦裁判所・メキシコ人ゲイ男性の亡命を認可
セクシュアリティが原因で自国メキシコで迫害を受けていたトランスセクシャルの男性に対して、アメリカの連邦裁判所はこのたび、亡命を認める決定を下した。

アメリカへの亡命を申請していたのは、日常生活を女性として生活をしているジョヴァンニ・ヘルナンデス・モンティールさん(21)。モンティールさんは1993年にアメリカに渡ったことがあるが、このときは数日で逮捕され、メキシコに送還された。その後モンティールさんは、ゲイを治療するプログラムを受けたが、一向にその成果がなく、95年に再度アメリカに逃げ、亡命を申請。モンティールさんは、学校では教職員らからいやがらせを受けたり、ナイフで襲われて1週間ほど入院したり、警察からも嫌がらせを繰り返され、拘留、暴行、レイプなどが執拗に行われたことを主張しつづけた。しかし、モンティールさんの迫害は、彼の外見(女装や化粧)に原因があり、彼がそれを変えれば迫害を受けることはないので、亡命は認められないと却下された。

そして今回、亡命審査のヒアリングにおいて、ラテン・アメリカの事情に詳しいサン・ディエゴ州立大学のトマス・デイヴィーズ教授がメキシコの現状を証言した。それによると、メキシコでは、女性的な感じのゲイ男性はゲイの中でも特に警察や他の特定集団からひどく差別や迫害を受けやすく、経済問題や政治問題の犠牲となって攻撃されやすいという。控訴裁判所のウォレス判事は、これを受けて、「メキシコにおける女性の性自認を持つゲイ男性は、保護されるべき特定社会集団である」ことを亡命の規定に盛り込むことを決定し、モンティールさんの亡命が実現した。判決の中で判事は、「彼の性的指向は生まれつきの性質であって、変えることはできないし、他人が変えさせるべきものでもない」ことを強調した。


|milk vol.35 2000/10/22 |home2000

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