【米】女性同性愛者は内耳が男性化・米テキサス大研究グループが発表
同性愛者の女性と異性愛者の女性では聴覚の中心である内耳が明確に異なっていることが、米テキサス州立大学の研究グループによる聴覚実験で明らかになり、今月3日付の米科学誌「全米科学アカデミー紀要」に発表した。実験の結果は、同性愛女性の内耳が生まれる前に男性ホルモンの影響で内耳の働きや、性の好み(sexual orientation)が決定されたと考えられることを示唆しており、専門家は同性愛が身体的なものに由来することを示す初の医学的証拠として注目している。

実験は同大のデニス・マクファデン博士らと200人の男女を同性愛者とそれ以外の4グループに分類し行われた。微弱なクリック音を聴かせて、内耳の蝸牛(かぎゅう)管を介して伝わってくる振動の大きさを調査した結果、同性愛女性から得られた振動は、同性愛でない女性の振動よりかなり弱く、バイセクシュアルの女性はその中間に位置することが分かった。

内耳は胎児期のホルモンの影響で性差が進む器官とされている。男性ホルモンにさらされる男性の内耳は男性化し、音に対する感受性が女性より低くなることが知られてきた。研究チームは同性愛女性の内耳の男性化現象についても、胎児段階での男性ホルモンが影響したとみており、「男性ホルモンは性の方向性を決める脳の発達にも影響を与える可能性がある」と話している。 (参考記事・ソース:3月4日付 毎日新聞より )


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