【フランス】市町村長が同性結婚に拒否権を行使
フランスでは、結婚しないで同居しているカップルが全国で200万組とされ、この中には同性愛者のカップルも少なからず含まれている。納税や年金、遺産継承などの面で、これらのカップルは独身者らと同様の扱いを受け、不利を被っているとして、ここ数年、未婚カップルにも正式な夫婦同様の法的権利を認めるべきだとの声が高まっていた。政府もこうした声に対応するため、今年中の法案成立を目指しているが、フランスでは未婚カップルがこれらの権利を享受するのに、地元の自治体での登録が必要となっている。

結婚式は地元市町村長立ち会いのもとで行われるだけでなく、戸籍簿管理責任者としての市町村長は、結婚を拒否する権利を持っている。そこで、「同性愛者の結婚式には立ち会えません」という理由を掲げて、市町村長たちが反対を表明し、請願書への著名活動を繰り広げている。法案反対ののろしを上げた中仏フェルタン村のパントン村長は、「同性愛者の結婚を祝福するなど良心に恥じることは出来ない」とし、先月から始めた全国3万6,000人の市町村長を対象とする著名活動で、すでに1万2,000人分を集めたと豪語している。

これに対し法案推進陣営は、「幻想を振りまいている」とこの動きを一蹴する。つまり、市町村役場はカップルの登録事務を行うだけで、結婚式に立ち会わなければならないというのは曲解だ、というわけだ。推進派は、反対派の背後に、カトリック保守派の影を見ており、成り行き次第では宗教論争にも発展しかねない雲行きだ。


|milk vol.5 1998/05/22 |home1998

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