【月間メディアチェック】婦人公論・「さまざまな人生の選択を教えたい」高校教員池田久美子さん
■さまざまな人生の選択を教えたい・高校教員池田久美子さん特集記事
■婦人公論9月22日号

昨年1月、58名の教職員のいる前で、レズビアンであることをカミングアウトした私立高校教員の池田久美子さん(34)。 現在発売中の婦人公論(9月22日号)では、池田さんを4ページにわたって紹介する特集記事が掲載されている。 カミングアウトするまでの経緯や、カミングアウトしようとした理由、その後の周囲の反応と自分自身で変わった点などについて答えている。 以下、その冒頭部と池田さんのインタビューの一部。

昨年の1月、私立高校教員の池田久美子さんは校内の同和教育委員長に立候補した。その際、「私は現在、女性と暮らしています。彼女は私の恋人であり生活上のパートナーです」と教職員に向かって「レズビアン宣言」を決行。しかし、その数日前まで、彼女の頭の中では同じ言葉が何度も駆け巡っていた。「クビの宣告」「日本初の同性愛者不当解雇裁判」「男性からのセクハラ」…。セクハラが脳裏に去来したのは、レズビアンの存在がポルノ業界で盛んに消費されているからだ。しかし幸いなことに半年たった今日に至るまで、「いずれの言葉も現実にはなっていません」と池田さんは笑う。

―なぜ、あなたはカミングアウトをするのですか?

ひとつは自分自身のためです。沈黙していれば、私は異性愛者になり、実際の私はいないことになってしまいますから。教師はある面、教科書の役割を背負わされているので、なかなか生身の自分を出すことができません。だけど本当は私も一人の人間なんです。私自身、自分のセクシュアリティを見つめることで、多くのことを学びました。カミングアウトの2つ目の理由は、自分には学んだことを生徒に伝える役目があると、そう実感したからです」

―あなたにとってセクシュアリティを自覚することにどういう意味があったのか、それに、生徒に伝えたいこととは何なのでしょう。

「セクシュアリティを自覚することは、私にとってまさに人生設計の柱を建てることでした。通常、教師は進路指導で生徒に、『どんな職業に就きたい?』としきりに訊きます。でも、『どんな人生を生きたい?』とはなかなか訊きません。進歩的な先生の中には、『専業主婦より共働きでいくか?』と訊く先生もいるけれど、それよりももっと幅を広げて、『同性と一緒に暮らすパターンもあれば、コレクティブ・ハウスで血縁に頼らない仲間と暮らすパターンもあるよ』と教えることもできる。どういう形態で暮らすかは、中学生や高校生なら自分たちで考えることができます。人生にはさまざまな選択があると教えられることもなく、ベルトコンベアーに乗ったような生き方だけでは子供たちが可哀想です。『どういうライフスタイルで君たちは生きていきたいのか』『周りの人たちとどんなふうに繋がっていきたいのか』、そんなことを提示する、これが教師としての 私の仕事だと思っています。」


|milk vol.9 1998/09/22 |home1998

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